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Essay Japanese only |
File 005 : It's My Boom '03/ライカR4
ぼくには興味のあるもの、好きなものがいろいろとあるのですが、カメラと写真というのがもっぱ ら2003年のぼくのマイ・ブームでした。 そもそもカメラというものに興味を持ったのはやはり大学時代のことで、きっかけが何だったかは はっきりと覚えないのですが、「朝日ソノラマ・クラシックカメラ専科」の「ライカブック’93」を今でも 持っていることを思えば、どこぞの雑誌か何かでライカの、それも恐らくはM3の記事を発見した であろうことは容易に想像できます。 ぼくが大学生だった1989年から1993年にかけての時代とは、まさしくバブル経済の真っ只中 とその崩壊時期であり、ニュースでは「地上げ」といった言葉がたびたび繰り返され社会問題化し ていた頃でもありました。大学生として毎日の生活を送っていた分には一体世の中のどこがバ ブルで自分に何の享受があるのか不思議でなりませんでしたが、日本のとある企業がアメリカ のエムパイヤ・ステート・ビルを買収したのもこの頃でしたし、ゴッホのひまわりをやはり日本の 企業が落札したのもこの頃だったかと思えば、ある意味たいへん良い時代だったのでしょう。 一般人が今に続くブランド志向になったのもこの頃からだと思います。詳しくは知りませんが雑誌 の創刊はこのころ多かった気がします。情報はいたるところにあふれていました。 ぼくも幸いその波にのまれてイギリス車やイタリア車、ロレックスなどの時計(二玄社からInter- national Wrist Watchの日本版が創刊したのはこの頃です)、それにライカなどのカメラなどを知 り、興味を持つようになっていきました。 今となってもそれらはおいそれと購入できるものではないのですが、2003年にドイツからライカ のR4をぼくでも買えるくらいの値段で入手しました。 ライカはいわゆるM3やM7などのレンジファインダー・カメラであるMシリーズ(M型)が有名です がRシリーズという一眼レフのシリーズもあります。ただ、発表された時点(’54年)で完成されす ぎていたM3などのお陰でライカは世の中、特に日本のメーカーの一眼レフ開発競争から早々に 脱落して、結局はミノルタとの提携によって「遅ればせながら」一眼レフ市場に再参入せざるを得 ませんでした。ぼくのR4もライカの一眼レフとしては文字通り4番目のモデルですが、R3から始 まったミノルタとの提携で、ミノルタのXDというモデルを下敷きに開発、’81年に発売となったモ デルです。ライカの最新のRモデルはR9ですが、R7までは外観がR4と同じデザインとなっていて 80年代・90年代を代表するRシリーズのデザインはR4から始まった、と言えるでしょう。機能と してもAE(露出優先)ほか4つのモードを持ちシャッタースピードが1/1000秒であることを除け ば、今時の一眼レフと較べても遜色ありません。ライカはその方針としてAF(オートフォーカス)に する気は当分ないようですから、そういう意味ではまったく古さを感じさせないカメラ、それがR4 なのです。 ただ、発売当時の日本での定価がボディだけで35万円ほどもした高級カメラを「ぼくでも」買えた のには今、この時代に中古品をドイツから直接買ったということもありますが、何よりライカという ブランドにおけるRシリーズの不人気に加えて、「初期型R4」には電気系トラブルが多い、と言わ れていることもあったと思います。これは有名な話で、R4の購入ガイドにはモデルナンバーまで はっきり指定して、初期型を避けるように勧めているものをよく見かけます。「ぼくの」R4はまさに その「初期型」だったのです。しかし、いままで約9ヶ月ほど使用しましたが何の不具合もありま せん。「アタリ」だったのですね。 写真を撮ること、についてはまたいつかお話したいのですが、モノとしてのR4はたいへん素晴ら しく、ドイツの工業製品であることを随所に感じさせます。’97年にR8が発表されるまで、つまり R7までがR4と基本的に同じデザインであったことも、例えばフォルクスワーゲン・ゴルフのように 工業デザインとしての1つの主張を感じます。そしてライカ全体に言える傾向として、いかにプラ スティックが軽量・生産容易であるとはいえ、安易に使用していないこと、言い換えれば確かに 重くはなりますが、金属の持つ質感やモノ(機械)としての素晴らしさを認識させてくれるのです。 「ぼくの」R4は、使用感のある中古品ですけれども、買ったときの箱や付属品が全て付いていた というのも嬉しかったですね。当時オマケでついていたのであろう、ライカのステッカーまでが未 使用の状態で残っていたのを発見したときには、前のオーナーがいかに大事にしていたかが 分かるような気もします。 ただ、もしあなたがライカのRに興味がおありだとしたら、1つだけ言っておかねばなりません。 国内のカメラ屋でR4はたまに買いやすい値段で見かけますが、値段はお徳感あっても、「万が 一」修理しないといけない場合は、別のR4がひょっとしたら「もう2台ほど」買えるかもしれない、 ということを。(Dec. 2003) ←prev next→ BACK TO ESSAY TITLE PAGE BACK TO HOME PAGE |